フォントのほんと。no.001



コラム的なものも書いていこうと思います。


今や皆さんのお使いのPCの中にもたくさんのフォントがあるのが

当たり前になっておりますが

この、


「PCに複数のフォントがある」


と言う概念はAppleのMacから生まれたと言うのはご存知でしょうか?

フォントにまつわるお話をちょこっと。


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【フォントのほんと。 no.001 】


- 複数のフォントを入れる概念がなかった

- フォントとデザインの関係


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複数のフォントを入れる概念がなかった


初期のMacにもWindowsにも複数のフォントが入っている設計は

なかったと言います。

複数のフォントを入れる、というものは

Appleの創始者、スティーブ・ジョブズ氏の美的センスから

生まれた概念なのです。


ジョブズは、カリグラフィーをこよなく愛していました。

大学(リード・カレッジ)を退学しても尚、

カリグラフィーの授業に忍び込んでまで受けたという逸話が残るほど。


当時、自分の人生のなかでこれが実際に役立つとは思いもしませんでした。しかし10年後、最初のMacintoshをデザインしているとき、ふと全てが蘇ってきたのです。私達はその全てをMacに詰め込みました。Macは美しい書体を有した初めてのコンピュータになったのです。

もし、私が大学であの授業に飛び入りしていなかったら、Macには多数の書体も、字体間を一定幅にする機能もなかったでしょう。そしてWindowsはMacを単にコピーしたものなので、パソコンがこういった特徴を持つことはなかったかも知れません。もし、大学をドロップアウトしなかったら、カリグラフィーのクラスには参加することもなく、パーソナルコンピュータが今あるような美しい書体を持つことはなかったでしょう。

もちろん、大学にいた頃には点と点をつなげて前に進むことは不可能でした。でも10年後に振り返ってみると、とても明確に理解できるのです。


こうして10年後、彼がMacを生み出すときに当時の想いが蘇り、

Macに美しいフォントが採用されるようになりました。




フォントとデザインの関係 - フォントを選ぶと言うこと


デザインをするときに外せないフォント。

よく「どんな文字を選んだらいいかわからない」と質問されることがあります。


フォント・書体には成り立ちや特徴、性格があり

その背景を理解した上で選択することだ大切だと考えます。


例えばフレンチレストランのメニューのデザインに、アメリカ生まれのフォントを使う。

わかる人にはわかる、と言う世界の話になってしまいますが、

これ案外チグハグなことをやってしまっているデザイナーも多いのです。

(とはいえ私もやらかしていることがあります...)

チグハグであっても、あえてそうしていると言う場合もありますので

一概にNGと言うわけではないのですが、

あくまでも選択のための1つの考え方であると捉えていただきたいです。


その他にも、特徴や性格も持ち合わせており

モダンでスタイリッシュ・革新的なデザインにはゴシック体を、

繊細で伝統的・情緒的なデザインには明朝体を etc...


ただかっこいい、可愛い、の領域から

一歩先のフォントが持つストーリー(物語)と、

生み出すデザインのストーリーをつなげて考えると

自ずとフォントは決まってくると思います。


そしてこのプロセスが、デザインの説得力に変わります。


デザイナーでなくとも、制作物を作るシーンは今どこにでもあると思います。

会社のちょっとした資料、チラシ、バナー などなど


一段上のデザインのヒントになれば幸いです。



余談


1周回って、やはりGaramondに戻ってしまう私がいます。

美しいですね。大好きです。

日本語ではAppleの日本語公式サイトに採用されている

AXISというフォントもさすがです。美しか〜!


お気に入りのフォントを見つけるのも楽しいかもしれませんね。